店主のブログ

2011年10月17日

新潟日報夕刊「晴雨計」に連載しています(5) 「過ぎ行く夏」

こんにちは、日本で唯一の”佐渡ヶ島専門居酒屋”「佐渡の酒と肴 だっちゃ」店主の喜多村さやかです。

2011年8月5日より、毎週金曜日、
新潟日報夕刊「晴雨計」欄にて、半年の連載をさせていただいております。

夏の佐渡の食材について書きました。

新潟日報「晴雨計」9月2日 「過ぎ行く夏」

$佐渡の酒と肴 だっちゃ 女店主SaYaの営業日誌-新潟日報「晴雨計」9月2日
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※「喜多村」はビジネスネームです。地元紙なので本名で書いてます。

しただみ。「しったか」とか「がんがら」とかいろんな名前で呼ばれるもの。
佐渡では磯にいって拾ってくる「イソモン」の一つ。

11勝7敗の図。肝まできれいに抜けると達成感があります。
この夏もたくさんの方にチャレンジしていただきました。
景品は特にありません。
その達成感、プライスレス。

「しただみ」って、不思議な名前だなぁ。
東京の人はみんな「しったか」って言うし、スーパーで見かけるとどうやら「尻高貝」というのが正式名称らしいぞ。

と思って調べてみたら、こういうことだったんですね。

太平洋側に生息し、「しったか」と呼ばれているのは、正式和名「バテイラ(馬蹄螺)」。
日本海側に生息し、「しただみ」と呼ばれているのは、正式和名「オオコシダカガンガラ(大腰高岩殻)」。

しったかは醤油煮、しただみは塩茹でに向くとされています。
太平洋側では静岡の沿岸部でよく食されているようです(居酒屋のお通しで出てくるらしい)。

新潟市内では「しったか」と言うようですが、東京に近い文化なのでしただみをしったかと呼ぶのかもしれません。食べているものはしただみと同じはずです。記事中のように、能登は古来から「しただみ」と呼んでいるので、古来からの北陸文化圏では「しただみ」なのかも。

さて、日報さんに原稿を送った時点では、しただみの生食はもう今年はできないなぁ、と思っていたのですが、実はなんとか、最終出荷に間に合って発注できてました! 生で食った!

石もち(かなづちだけど)、つつき破ったら、

身が出るまでたたいたらぐしゃぐしゃになったよ(涙)

洗ひ濯ぎ(だってぐしゃぐしゃになったから、殻をよく洗い流さないと食えない)

辛塩に こごと揉み(ここは端折った)

完成。
見た目すこぶる悪し。

しかしながら、食べてみたらなんと、サザエを上回るうまみ。甘い!
やわらかくて、おっいしー!!!!
これは、貝好きにはたまらないうまさです。

この夏最後の入荷だったのもあるのですが、とにかく、小さい貝殻のため実を取り出すのが大変なので(そしてぐしゃぐしゃになるので)、こんなにおいしくてもお店では出せないなぁ…。

店主の役得おつまみにさせていただきます☆

※一般にスーパーで売っているものは、水揚げからどれくらい経っているのか知る由もありませんので、生食はされないほうがよいと思います。

今日も原稿を書いて送りました。10月最終週の分。やっと3ヶ月終わり、半年連載の折り返し地点まで来ました。
あと半分、がんばるぞー。

夏季限定「しただみラーメン」。
また来年。

新潟日報「晴雨計」