店主のブログ

2012年01月23日

新潟日報夕刊「晴雨計」に連載しています(22) 「佐渡の郷土料理」

日本で唯一の”佐渡ヶ島専門居酒屋”「佐渡の酒と肴 だっちゃ」
店主の喜多村さやかです。
こんにちは☆

2011年8月5日より、毎週金曜日、
新潟日報夕刊「晴雨計」欄にて、半年の連載をさせていただいております。

佐渡には新潟日報夕刊が配達されませんので、佐渡の方にも読んでいただきたくて、新潟日報さんに許可をいただいて記事を公開しております。

「佐渡ヶ島郷土料理」のお店であるところの「だっちゃ」には、実は郷土料理はメニューに一つもないんだという衝撃の事実を、自信満々で書きました。

新潟日報「晴雨計」2012年1月20日「佐渡の郷土料理」

$「佐渡の酒と肴 だっちゃ」女店主喜多村さやかの営業日誌 東京メトロ浅草駅から徒歩20歩!

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※「喜多村」はビジネスネームです。地元紙なので本名で書いてます。

ないこともないんですが。

佐渡ヶ島の郷土料理。

郷土料理というよりも、典型的な田舎料理、が、多い気がします。
「ほうとう」や「きりたんぽ」、「島寿司」のような、わかりやすい郷土色のあるメニューがないんだよなー佐渡ヶ島。

こないだ作った「煮しめ」。

$「佐渡の酒と肴 だっちゃ」女店主喜多村さやかの営業日誌 東京メトロ浅草駅から徒歩20歩!-佐渡煮しめ

今回はいかを入れました。よ~く煮しめた「おでん」のようなもの。
インパクトないよなぁ。よくしみてておいしいけど。

これとか?

ふぐの子の粕漬け

ふぐの子の粕漬け
価格:2,500円(税込、送料別)

かすけ商店さんの「ふぐの子粕漬け」は、佐渡汽船のおみやげ物屋さんでも売ってるメジャーな存在。
猛毒のあるふぐの卵巣を、2年くらいかけて毒抜きしてさらに粕漬けにする、珍味です。
漁師の家の家庭料理、と言えなくもないが、一般的な佐渡郷土料理ではない…。

「ふぐの子糠(ぬか)漬け」は石川県で見られますが、佐渡は酒粕付けだよ。
召し上がったお客さまの多くは、「糠漬けよりもおいしい」とおっしゃいます。

いごねり?

これも人気の佐渡の特産品。
これがないと佐渡の人に怒られる、佐渡島民のソウルフード。
家庭で作られることは滅多になくなり、郷土「料理」と呼ぶにはちと弱い気がする。
家で作るのは、おばあちゃん世代までのような気がします。

飛び魚のすり身?

佐渡沖の新鮮とびうおのすり身・5個入り

佐渡沖の新鮮とびうおのすり身・5個入り
価格:1,500円(税込、送料別)

これも、味噌汁に入れて頻繁に食べるけど、料理っていうよりも「製品」だよなぁ…。

こんなページもある。

■ 【佐渡】「佐渡の郷土料理・伝承料理」献立集を作成しました:新潟県

田舎料理のオンパレードですが、「THE 佐渡」っぽいのはとくにありません。
似たようなものが、他の地域にも普通に存在する。

なめぜ?

「なめぜえ」とも言うらしい。
麹味噌のような発酵食品。
味噌を各家庭で作っていた時代には、なめぜも家庭で作られていた。
現在は、塚本麹店さんくらいしか作ってないように思う。
塚本さん自身が、「この商品は見た目も気味悪く、食べるとさらに珍なる味で、好きと嫌いがはっきり分かれる商品です。」とのたまっている珍味。
今となっては、郷土料理というより、やはり「製品」なのである。

鶏汁。
海のものに偏りがちな佐渡の食文化の中で、鶏肉を使った椀はもてなし料理の一つとして定着。
東北の「芋煮」の鶏肉バージョンのようなもの。
島民のソウルフードと言えるほどの知名度はなく、インパクトも弱い。
おいしいけど。

くずまし汁。
根菜やこんにゃく、厚揚げなどを小さめにカットして、くず(片栗粉)でとろみをつけた椀物。
いろんな材料を煮あわせるので、昔はごちそうだったもの。
長野を中心に見られる「のっぺい汁」にも似ているし、くず汁は一般的に全国で作られるからなぁ。

佐渡ヶ島が、他から隔離された離島であるにも関わらず、島独特の郷土料理が発達しなかった理由は、

  • 海山川を併せ持つ佐渡は食材に恵まれすぎており、おいしく食べる工夫が必要なかった。
  • 「佐渡は日本の縮図」といわれるように、四季の食材及び食文化も標準的な日本の食文化に準じ、小笠原や沖縄のような独自性は発生しなかった。
  • かつては世界最大規模の商業地であり、商人ほか全国各地から旅の者が来島。常に島外の文化が流入し、各地の食文化が交わって定着し、独自性には欠ける。
  • というようなことではないかなぁと、勝手に考えています。

    ちなみに、だっちゃは飲み屋さんなので、鶏汁やくずまし汁、とびうおのすり身汁などの佐渡ヶ島郷土料理は、コース以外ではお出ししておりません。
    椀物はおつまみにならないので、仕込んでも注文が入らないんだよ~。
    出したくても、出ないの~。
    興味がおありの方は、コースをご予約の際にリクエストいただけると、張り切って作ります☆
    飛び魚のすり身汁は、冷蔵庫の中身で作れるので、裏メニュー注文承ります☆

    それにしても、こんな佐渡ヶ島の郷土料理事情なので「佐渡らしい郷土料理が食べたい!」と、わくわくしてお見えになるお客さまには、大変申し訳なく。
    佐渡は「食材の王国」なんです。
    佐渡らしい食材や、田舎料理はあるけれども、郷土料理と言えるものは存在しません。
    この場でお詫び申し上げます。
    ごめんなさい。

    でもね、食材はとってもよいものばかりだから、佐渡現地でも、変に手を加えずに、ありのままを自信を持って提供していただきたいなぁと思います。
    獲れたてのお魚、地のもの、おいしいお米。
    背伸びをして飾り付けた凝った料理より、素材勝負のお料理のほうが、絶対喜ばれます。
    特に観光旅館さん、お食事はリピートの命です、頑張ってください!

    ■「佐渡の酒と肴 だっちゃ」■

    東京メトロ浅草駅改札から徒歩20歩!
    佐渡6蔵の地酒が揃う、日本で唯一の佐渡ヶ島専門居酒屋です。

    東京メトロ銀座線・浅草駅、松屋百貨店側改札から斜め左方向に徒歩20歩。「浅草”地下街”」にあります。地上にはないのでご注意下さいね!

    【電話】 03(3844)4255
    【住所】 〒111-0032
    東京都台東区浅草1-1-12 浅草地下街 第六号 → 地図
    【営業時間】 営業時間:18時~終電(LO:11時00分)
    【定休日】  不定休(メルマガ・HPでお知らせしています)
    【E-mail】  daccha.asakusa@gmail.com
    【HP】  http://da-cha.net/
    【メニュー】  メニュー例(季節・入荷による)

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